第二の患者の手記

35才の旦那さんがガンになりました。2019年5月後腹膜原発胚細胞腫瘍ステージⅢと診断される。2019年11月経過観察へ。経験者の方のアドバイスなど頂けると嬉しいです。

旦那さんの闘病を経て変わった価値観③旦那さんへの想い

 

旦那さんが余命宣告された瞬間を今でもはっきり覚えてる。

 

 

「このがんは治療が確立しておらず余命半年から1年だと思います」

先生がそう言った時、私の思考は一瞬止まったが旦那さんの声で引き戻された。

旦那さんの顔を覗き込むと眉間を指で押さえて、

「うーーーん、そぉかぁーーー…参ったなぁ、はは」

と言った。

 

 

旦那さんは話し合い中に悩む時、この語尾を伸ばした話し方をよくする。

その間に考えを頭の中でまとめているんだろうけど、私はこの癖が何となく好きじゃなかった。

『 久しぶりに聞いたな、この癖』

『 家建てる時とかよく言ってたっけ』

『 あの時はこんな事になるなんて考えもしなかったな』

なんて思い出しながら、この癖ももう見られなくなってしまうのかと思ったら涙が止まらなくなってしまった。

でも旦那さんは涙ひとつ見せずに先生の説明を聞いていて、帰りの車も旦那さんが運転して私は助手席で泣きじゃくっていた。

 

 

よくよく調べるとがんの種類が違う事が判明し余命宣告も撤回されてホッとしたのも束の間、がんの進行が予想よりも早く旦那さんはあっという間に動けなくなってしまった。

急遽抗がん剤治療を始める事になったが、

「転移の範囲が広いので後遺症が残ったり死亡する可能性もあります。

覚悟はしておいて下さい。」

とまた辛すぎる宣告。

 

 

実際抗がん剤治療は本当に辛そうだった。

身体は動かないのに痛みや吐き気、発熱が絶えず続き見ているだけで苦しかった。

「もう辛いから治療止めたい」

と切り出されてもおかしくない、言われたらどうしてあげれば良いんだろう…と病室に行くたびに考えて毎日ビクビクしていた。

でも旦那さんは文句も言わずに全ての治療をやり切り、がんは寛解した。

 

 

 

 

と、旦那さんががんになってから旦那さんの事を改めて尊敬する機会が多々あり、以前よりも旦那さんに対して敬愛の念が増しました。

 

 

なので例え、

昼過ぎまで寝ていても、

一日中ゴロゴロしていても、

意見の食い違いがあっても、

あんなに頑張った後なんだからゆっくりさせてあげよう。

人生の夏休みね。

生きてるだけで良かったじゃん!

と思えるようになりました(^^)

(以前よりってだけでイラッとする事ももちろんありますが…)


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10年以上も一緒にいると相手の事を改めて考える事ってなかなか無かったので、この事に関しては良かったなと思います。

この想いをずーっと保てていけたらいいな。

あ、普段は結構良いお父さんです、念の為。