第二の患者の手記

35才の旦那さんがガンになりました。2019年5月後腹膜原発胚細胞腫瘍ステージⅢと診断される。2019年11月経過観察へ。経験者の方のアドバイスなど頂けると嬉しいです。

検査結果②

検査結果の説明が一通り終わり

「何か聞きたいことはありますか?」

と私に聞く先生。

『何が原因なんですか?』

『もっと早く見つける事は出来なかったんでしょうか?』

『本当にもう完治できないんですか?』

と頭の中にいくつも質問がよぎったけれど

聞いても意味の無い事ばかりで…

それ以前に泣きすぎてまともに喋る事も出来なかったので

「…大丈夫…です」としか言えませんでした。

 

診察が終わり転院の手続きを待つ間、

泣きじゃくる私を他の患者さんが気の毒そうに

見つめてくる。

場所が場所だけに泣いている理由は大体想像がつくだろう。

気を遣って看護師さんが個室を用意してくれた。

そこでもなかなか涙が収まらず、

旦那さんはずっと背中をさすってくれた。

大変なのは旦那さんなのに…。

「先に泣いてごめん」とやっとの事で私が言うと

旦那さんは「大丈夫だよ」と微笑んだ。

「くまさんも泣いてもいいんだよ」

「そうだねぇ、生検の結果も悪かったらその時は泣くかな~」

と徐々に会話らしい会話が出来るようになってきた。

そう、生検の結果次第ではまだ治る見込みはあると

先生は最後に言った。

ただ可能性はゼロに近いそう。

でも今はそれにかけるしかない。

結果が良かろうと悪かろうと前に進むしかない。

 

家に帰ると旦那さんは疲れたのか寝てしまった。

最近少しずつがんが原因と思われる体の不調が出てきた。

『腰痛』『食欲不振』『足の付け根の痛み』『寝汗』『お腹の調子が悪い』

そんな旦那さんの肩に寄り添うとまた涙が出てきた。

しばらくそうしていたけど子供達が帰ってくると涙が止まった。

自然とお母さんに戻れる。

でも子供達と離れてキッチンで夕飯を作っているとまた涙腺が緩む。

しばらく泣きながら料理していると

寝ていたはずの旦那さんが傍に立っていた。

「グズグズ聞こえると思ったらまた泣いてるの~」

と茶化した。

「玉ねぎ切ったんだよ~」と泣きながら抱きしめ合った。

あと何回こうして抱きしめ合えるんだろう。

治療が始まったら難しくなるのかな。

急に寂しくなって

「明日仕事入ってるけどくまさんが

一緒にいたいって思うなら休むよ?」と言うと

「一日中めそめそしてそうだからいい(笑)」と返されてしまった。